その日は珍しく拓哉と帰ることになり

昇降口に行くと


正門の所に見慣れた人影が見えた


「光樹.....君...?」


私がポツリとつぶやくと


「ぁ?誰?」


「あたしの彼氏....」

正門の所の壁にもたれかかっている


「なんか用があんじゃねーの?」

光樹君は私に気づくといつもの笑顔で
手を振っている


「麻由香っ」


私も急いでそっちに行く


「どうしたのっ?」


「特に用はないんだけも
麻由香に会いたくなっちゃって」


おどける光樹君がなんだかかわいい

「へへっなんか照れ臭いなそんなの」


そういい光樹君の顔を見ると


なぜか不機嫌そうな感じになっていた


「どうした....「誰、あいつ」


さっきよりも低い声で問いかけてくる


「ぇ、あれは友達の拓哉だよ?」


「勘違いしないで違うよ?」


「行くよっ」


強く腕を引かれて学校から離れていく


「っい、痛いよっ」


光樹君に握られた手首が

ジンジンと痛む


「麻由香....携帯見せて」


「え....な、んで?」


さっきまでの笑顔は光樹君君からは
消えてその表情には恐怖も感じる


「いいから見せて」


恐怖を感じおそるおそる携帯を渡す