一時限目の国語の授業が始まり、教室にはページをめくる音と書き物の音だけがリズムを刻んでる。

千賀は、子守唄よりも優れた睡眠法だと感心した。

意識が遠のき、頭を支えるのが限界に差し掛かった時だった。


「千賀…」


隣から現実に引き戻す声がした。

千賀はビクッと体を震わせ目を見開いた。今が授業中だと気付くまで数秒の時が過ぎる。


「昨日、何してたの?」


隣の席の女子が小声で言った。