お年頃ウィーク

バスケ部の部室で帰り支度をする千賀。

外には、香代の姿があった。

補習を受けていたらしい。

千賀は溜息混じりに頭を掻いた。

「なんで待ってんの」

「いいじゃん」

得意のアヒル口を披露する。

「良くねえよ。そういうのなしって約束だろ」

「やだ」

「お前な〜、美由紀にバレたらどうすんだよ」

「その時は、香代が本命になったげる」

千賀は、香代が本命の彼女ではないことに感謝した。
可愛いだけで、他に何も得るものはないからだ。
さっさと事を済ませて帰ろうと思った時だった。


「千賀君」