「うん。いろいろあってね」


「そのようだね。そう言えば、クラーンから手紙がきていたよ」



いつものごとく、風嵐は千里眼である。

大気を操り、遠くの情景や話し声などを聴く能力を持っている。



「クラーンから?」

差し出された手紙を見る。


クラーンの紋章……天使の羽と十字架を組み合わせたデザインが描かれていた。



クラーンの紋章が描かれた手紙を出せるのは、代々クラーンの長だけと決まっている。


陣太ではないから慎太からだ。