「さて。そろそろ帰るか」


教室には、西日が差し込み世界をオレンジに彩っている。

と、オレンジ色の光の中に淡い燐光を放ちながら、恐ろしく整った顔の青年が現れた。



赤みの強いざんばらな髪の毛。

古代人のような服装。

たくましい体躯。

炎を彷彿とさせる澄んだ瞳。

人間のようだか放っている気配が神々しい。



……緋炎だ。


朱鳥が従えた四大神の1人である。


緋炎は名前の通り、炎を司る神だ。