「輝夜!」


そこにはクラーンの副会長、吉崎輝夜がいた。



「何してるの?早く体育館いかないと、入学式始まっちゃうよ」



輝夜の声はいつ聴いても、耳に心地いい。


朝から聴けるなんて、ついてるなぁ。


じゃなくて‼︎



「名前が見つからないの。一緒に探して」


輝夜に詰め寄りながら、早口に言った。



すると、輝夜は若干引きながら、キョトンとした。


「名前が無いのは当たり前でしょ?特待生は特別クラスって、入学説明会で言ってたでしょ?」


「へ?」


勢いが削がれて妙な声が出た。



入学説明会……。


(そう言えば、言っていたようないなかったような)



「朱鳥の事だから、忘れてたんだろう。
クラスが分かったことだし、体育館行くよ」



笑いを堪えて肩を震わせながら輝夜が体育館の方へと歩き出す。



図星をさされた、恥ずかしさと、笑っている輝夜に少しの殺意を覚えながらも、体育館に急いだ。