ーーー今年の選手名鑑には、彼がいなかった。
初めてもらった背番号を大切にしてきた彼の『30番』は、新しい新卒ルーキーのものになっていた。
まるで、最初からいなかったかのように。
彼がいた場所に、もう彼の面影すらないのだと知った。
それでも、わたしは彼を……忘れることなんてない………。
わたしは、柵にギリギリまで近付いた。
とても心地よい風がわたしの頬を撫でる。
そして青い海を見つめる。
青い色は、とても好きな色。
彼の着ていたユニフォームと同じ色。
青ければ、青いほど…わたしは彼を思い返す。
今、彼は幸せだろうか、と……。
辛いことはないだろうか?
悲しいことはないだろうか?
……と。


