全ての過去を振り払い、栄光を手にしたあの日。
そして、彼の「夢の終わり」になってしまった、あの日を最後に………
わたしは二度とそこに足を運ぶことはなかった………。
わたしは知らなかった。
彼の足は…もうずっと前から限界がきていたこと。
このまま現役を続ければ、日常生活にも影響が出る手前までボロボロになっていたこと。
マッサージや痛み止めで、だましだまし試合に出ていたのはずっと前からで……数試合なんてものではないこと。
そして、最後まで「チームと、支えてくれたサポーターの為に」と試合に臨んでいたこと………。
そして彼は引退と共に、高校時代から付き合っていた彼女との結婚を発表した。
「辛い時期を支えてくれた彼女を幸せにしたいと思った」
と、彼は語ったらしい。
わたしは全てが終わってから、彼の真実を知った。
結局…わたしから彼に、何ひとつしてあげられることなんてなかった。


