やけにスッキリとした声だった。
きっと彼の中で区切りがついて、もう未練なんてない。
そんな人だけが発することのできる声色だった。
サポーターは、さっきまでのテンションはどこに行ったのか……
周囲のどよめきと共に、わたしに彼の言葉が染み込んでいく。
言葉の意味を理解して、わたしは目の前が真っ白になった。
「……う、そ」
気が付けば、涙がボロボロとこぼれた。
反射的なものだった。
泣き出したわたしを、周りのサポーターが焦って心配して、背中を撫でてくれた。
涙で滲んで、彼が見えなかった。
きっと、彼は笑っている。
だって、今日は彼にとって"最後"の日。
メガホンを握り直し、彼は続けた。
「今日まで、俺が頑張れたのは皆さんのお陰です!今まで応援してくれてありがとうございました。………これからも、」
不自然な間が空いた。
ボンヤリした視界で……彼は、もう笑っていないように見えた。


