心配になったわたしは、練習場を訪ねた。
この日の彼は、全体練習とは違う別メニューでの練習だった。
練習している彼の顔は、痛みに耐えているようにも見えた。
体のケアを済ませた彼を、練習場の隅で待っていた。
わたしを見つけた彼は、驚いたようにしていた。
「あっ、梅さん、練習お疲れ様です!」
「おっしー…ありがとう。」
今日の差し入れのスポーツドリンクを渡すと、彼はキャップを開けて一口飲んだ。
ふぅ、と彼のため息が聞こえる。
「あの…梅さん、足…大丈夫なんですか?」
あまりにストレートすぎるかと思ったけれど、梅さんは大して気にしていないようだった。
彼はわたしの問いに、うっすらと微笑んでいたけれど、その笑みに暗い影を落とした。
「足か……あんまり、良くないね。」
「……そう、なんですか」
試合を見ているだけで予感はしていたことだけれど……やはりショックを受けている自分がいた。
梅さんは、フッと笑うように息を吐き出した。
「俺……実は最近ね、痛み止めがないと試合に出られないんだ。」
「え………?」


