そんなわたしの心配を置き去りにして、シーズンはどんどんと進んでいく。
今年は新戦力が多かったものの、チームへの溶け込みが早く雰囲気がとても良かった。
選手たちの仲が良いのが、ゴール裏から見ているだけで伝わってくる。
チームの連携もよく出来ていて、勝ち星を重ね、スタートダッシュはここ数年で最高だった。
わたしも合間を縫って行っていた就活が実り、就職が無事決まった。
応援により注力することが出来た。
梅さんは練習試合だけど、試合に出られるようになり今までのようなプレーが戻っていた。
もうそろそろ、公式戦にも出られそうだった。
その間に何回か練習場を訪ね、梅さんと会話をした。
それは本当に些細な話だったけれど…練習試合に出られた、とかシュートが決まった、とか。
彼の嬉しそうな話を聞くのが、楽しかった。
わたしの心には、見返りを求めるつもりはなくて……。
ただ、彼の笑顔が見たいだけだった。
そして、彼を笑顔にしたいだけだった。


