そう促がされて、わたしは最近あったことを話した。
梅さんのことは、詳しいことは言わずに「特に応援している選手」という言葉で伏せた。
わたしの話を聞いて、翔さんは気遣わしげに視線を彷徨わせた。
「……そっか、不幸なことが沢山あったのか…。それは辛いな。」
翔さんはわたしの話を真剣に聞いてくれた。
翔さんも、あまりサッカーには興味がないみたいだったので、元カレみたいにモメる原因になりそうで怖かった。
だけれど、翔さんとはモメることはなかった。
大人な対応なのかもしれないけれど。
………それでも。
「そんなに瑠璃ちゃんが一生懸命応援してるんだから、俺も一回見てみたいな。」
翔さんがそう言ってくれたのは、純粋に嬉しかった。
そして二人で、翔さんの仕事が落ち着いた頃に…日程の良い試合を一緒に観戦しようと約束した。
わたしはただただ嬉しかった。
翔さんには、素のわたしを見てもらおうと思い、わたしが普段試合観戦するゴール裏に誘おうと思った。
それは、決して良い選択ではなかったのだけれど……それはもっと先のお話。


