青い残光【完】










わたしは、涙が出そうなくらい嬉しかった。
わたしだけじゃなく、きっとチームを応援している誰もが彼のことを信じ、応援したいと思っただろう。









だけれど…わたしの心中は複雑だった。



彼が残ってくれたことは嬉しい。
何よりも嬉しい。








…責任を感じてくれたのだろうし、残ってくれたことは嬉しいけれど……彼は、本当にこれで良かったのだろうか、と……


思ってしまった。








1年間の彼のプレー評価してくれて、声をかけてくれた1部リーグのチーム。
2部リーグよりも、レベルは高いし給料も良い。





何よりも、今のこのチームは資金繰りもギリギリで泥舟のようだ。








それで、彼のプロ人生は良いのか?
そんなことを、彼は望んでいるのか?











確かに、1部リーグのチームに移籍しても、スタメンになれるか分からない。
チャンスなんてなくて、結局ダメかもしれない。




それでも、彼の責任感の代価は……あまりにも大きい気がした。