ポラリスというのは、北極星のこと。





北極星は、地軸の延長線上にあるから、他の星と違って動いたりしない。





いつも、同じ場所にある。



いつも、そこにいる。






そう教えてくれたのは、中3のときの理科の先生だった。







陸「海野?どした?」




ペットボトルを差し出して、心配そうに私の顔を覗きこんだ陸に驚いて

少し、後ろに仰け反った。






「・・・ぅ、ううん。なんも」






なんだか変な感じがした。




記憶のどこかに、浅い亀裂が入るような感覚。





こういうのって、既視感っていうんだっけ。




デジャヴ・・・?






澪「海野、早くしないと終わるよ。この後バイトでしょ?」


「そうだった!やばい!」





レポートと、来週のテスト勉強。



このテストを落としたら留年するリスクがあるから、みんな必死だ。




大学の近くの大きな図書館は、うちの学生でほぼ満席。





輪っかになってる広いテーブルに、プリントやら教科書やらをいっぱいに並べてる。




横に座ってた陸が瞼を閉じて、顔を伏せた。



すかさず澪が陸のハチミツ色の頭をばこ!って叩いた。