野球観戦&セクシー・リップ




隆太は?と横を見ると。


手にしたチケットに視線を落としたまま、呆然としている。


いやだ、もう、演技しちゃって……


私の紅い唇がそう言いかける。


が。

隆太の顔は段々に赤くなってきて、何かが起こったことを私に知らせる。



ま、ま、まさか……?




「すげえ…当たったよ…」


隆太は私の方にチケットを突き出した。



私は番号を見る。

それは、スクリーンに映し出された番号と一文字も違わず合致していた。



「きゃあっ、すごいっっっ」


私は思わず、隆太の首根っこに両手を回し、飛び付いた。


すると、隆太の指は私の顎の下に添えられ、私達は観客席でキスをかわした。

…数秒間だったけれど、夢みたいな甘いキス。


「当選おめでとうございます!
どなたと行かれますか?」マイクを持ったインタビュアーが近付いてきた。


「もちろん、彼女とです!」


隆太は立ったまま、私の肩を抱き、ぐいっと引き寄せた。


「石垣島では何をしますか?」


「チャペルで結婚式を挙げます!」


大きなスクリーンに映った隆太は元気よく答える。
その唇には、はっきりとレッドチェリーが残っていた。