ただ…ひとつだけいつもと違うことといえば…あたしの放ったシュートに、相手の指先が触れたこと。




ボールがリングに向かって飛んでいく中、試合終了のブザーが鳴った。




誰もが一言も喋らずにボールを見守った。




でも、次の瞬間、相手チームの歓声が聞こえてくるのと共に、チームメイトが泣き崩れていくのが目に入ってきた。




あたしの放ったボールは、リングに嫌われ、コートに落ちた。




何も、言えなかった。




あたしを信じてくれたチームメイトの夢を壊したなんて思いたくなかった。




何より、あたしを見るチームメイトの視線が痛かった。




そしてあたしはもう2度とコートに立たないって決めた。