私は、大好きな美歩と古田くんが幸せならいいんだ。って自分に言い聞かせた。

帰り道、美歩は
「あっ、そーだ!!
ね、優里香〜?
宿泊学習のことだけどさぁ、同じ部屋にしようね!!」

…ん?宿泊学習?
え、なんのことだっけ?

多分、え?ってのが顔に出てたんだと思う。

「優里香、ちゃんと先生の話きいてた?
2週間後、宿泊学習だよ!?
明日部屋割り決めるんだってー!!
終礼のときにいってたよ?」

終礼のときはいろいろ考え事してて、きいてなかった…
でも、美歩と同じ部屋かぁ、楽しみだな♪

「うん!もちろん!
同じ部屋だよ?楽しみ♪」

そういって美歩の顔をみると、うん!って笑ったあとに、きまづそうに美歩がこっちをみてる。

…あー…。
すぐにわかった。
美歩は親友だから、何を考えてるかくらい。
だから、美歩がいいにくいと思ったから、かわりに言ってあげたんだ。

「じゃぁさ、バスの席は古田くんとにしなよ!
せっかくのチャンスなんだしさ!」

そしたら、美歩はあきらかに安心したように

「ありがとう〜!!
さっき幸と一緒にすわりたいねって話してたんだ〜!!」

って。
幸。それは古田くんの下の名前。
私がよぶことは許されない名前なんだ。
でも私は最上級の笑顔で

「そーなのっ!?
よかったじゃーん!!
バスなんだから、あんまいちゃつきすぎんなよー?」
って。
よし、今日もうまく笑えた、はずだよね?