珍しく声を固くして言うおばあちゃん。
「……えっ、なにっ……。」
視界が涙とは別の何かでゆがみ始めた。
怖くなって、ぎゅっとおばあちゃんの服の袖を掴むと、おばあちゃんの視線は私をしっかりと捉えて、
「老いぼれのちょっとした、おまじないだよ」
その言葉とおばあちゃんのニッコリした笑顔を最後に私の世界が真っ暗になった。
────────……
「………ん」
「あ、起きた。」
目が覚めると、私を覗き込む少年がいた。
ぼんやりとした頭で目の前の人物を見た。
生まれつきなのか茶色っぽい髪に、透き通るような肌、唇はぽってりと赤くて。
なんていうか、女装が似合いそう。
「……って、えええーっ?!」

