そして、私の頭をよしよしと撫でる。
そのおばあちゃんのしわしわの手があまりにも温かく優しかったから、頬に伝うモノのスピードが加速した。
「鈴ちゃん、辛かったねえ…」
1年前のことだと呆れないで聞いてくれる。
そんなおばあちゃんが大好き。
「……ひいおばあちゃんは、太陽になったんだよね?」
私のひいおばあちゃん。
そしておばあちゃんのお母さん。
朝起きると、太陽に向かって拝むのが日課のおばあちゃんは私に言うんだ。
ひいおばあちゃんは太陽に生まれ変わったんだと。
そう、信じているんだ。
「そうだよ。」
「ナツくんはね、空になったの。」
私は潤む視界の中、また空を見上げた。
そう思いたいだけ、なのかもしれないけど。
でもそうしなければ、精神が保てなかった。
消えてしまったなんて、信じたくなかった。

