「……っ…ううっ、ひっく…」 ナツくん。 私また身長伸びたんだよ。 私より背の小さかったナツくん。 いつか絶対追い越してやる!て悔しそうにしていたナツくん。 そのナツくんは、もうどこにもいないんだ。 あのね、周りの男子は中2になって急に背が伸びた人、結構いるんだよ。 ナツくんも、私よりもずっと背が大きくなって得意げに笑っていたのかな…。 どうして…、どうして、 次から次から涙が止まらない。 そんな私の様子をおばあちゃんは静かに黙って見守りながら湯のみを廊下にコトンと置いた。