とめどなく流がれる涙はナツくんの学ランを濃い色で染めてしまう。
「…っ…ナツくんが…いないから、だから寂しくて泣いちゃうんだよぉっ。」
「鈴……。」
ナツくんは、私の顔を自身の学ランから引き離し、ぐちゃぐちゃになった私を真っ直ぐ見つめた。
ペロッ
「……ちょ、ナツくっ…何やって……、」
驚いて涙が引っ込んでしまった。
ナツくんが私の頬についた涙を舌で舐めとっているのだから。
ザラザラと熱い感触にドキマギしてしまう。
「あっ、泣き止んだ。」
ペロリとピンクの舌をちらつかせるナツくんは、どことなく色っぽい。
「そりゃそうでしょ。びっくり、ほんとびっくりだよ。ナツくん。」
「ふふん、オレは鈴を驚かせることに関しては
天才だからね。」
「あははっ、なにそれ。ワケ分からないよ。」
ナツくんの謎の自信に思わず笑ってしまった。

