あの時に戻れたなら







…そうか、やっぱり…私はあの時にいるんだ。


夢、なのかな。

私、夢見ているの?


そう思って、頬をつねってみる。


痛い…、ってことは現実?


これは、タイムリープってやつ?



私はジーッとナツくんを見つめた。


ちょっとダボッとした学ランを着ている彼は、やっぱり何も変わらない。



ナツくんだ…



この世界を認めた途端に涙が出た。



けど、ナツくんに泣いた姿を見られたくなくてそっと指で目尻を拭った。



「ごめん、気をつけるね。じゃあね。」




私は立ち上がり、そばにあった鞄を手に取るとナツくんの元から去ろうとした。