どんなに悲しくても泣きたくても、当たり前に日常は続くんだ。


中学校の帰り道、私は道を歩きながらふと空を見上げた。


どんよりした曇り空、キミも私と同じ気持ちなのかな。


そっと手を伸ばしても、当然何も掴めない。



この空の上の、もしかしたら宇宙よりもずーっと上には天国があったりして、キミはそこにいるのかな。



ううん、そんなことない。

やっぱりナツくんは、空だよ。
空がよく似合うよ。




手を下ろすと見慣れた和風の家が見えてきた。

この横に広い家が、私の住んでいるところ。