いつも屋上で誰かが唄っているのは知っていた。

悲しそうな、でも楽しそうな歌声で。

だから、その歌を聞きたくて屋上にいった。


たまたまなのか、その日は誰もいなかった。

別になにもないのに、悲しくなって涙が溢れてきて止まらなかった。


あくる日もあくる日も屋上にいったのに、結局歌は聞けなかった。

そして、いつもいつも、そこで泣いた。