指切り

その後私はどうやって病院に向かったのか分からないが気付くと病院にいて、警察の人に薄暗い部屋に案内された。
部屋には母親の顔に白いハンカチが被らされており、私は静かにそれを取った。取って一パーセントの希望は奪われた。もしかして同姓同名の別人かもしれないと思ったが、その顔は紛れもなく自分の母親。
「お母さん…お母さん！」
母親の体に倒れ込み、帰って来ない母親を呼び続ける。
「お母さん！」
私の運命の歯車が音を立てて少しずつ狂い始める。