指切り

「お待たせしました」
お姉さんが注文したものを運んで来た。コーヒーのいい匂いが鼻孔をくすぐる。
コーヒーを一口飲んだ時、楓香ちゃんが唐突な事を言った。
「楓香はあすちゃんの一番になる」
「は?」
「悠里ちゃんには負けないよ」
「……」
その意味は分からなかったけど、笑顔で言う楓香ちゃんが少し怖かった。
そして一口飲んだコーヒーの味が分からなかった。