【ばいばい】は言わない

【手】をふらない

それが、私たちのルール

寂しくなるから
帰り際に手はふらない

いうのは
【またね】の言葉と
【チュ】というリップ音

知らなかった、なんて言わせない


あの日、あのとき
このルールを作ったのはだれ?

私ね、振りそうになる手を必死で押さえて、背伸びして君と重ねた


なのに

君は私の心をすぐに打ち砕く


きっと、
またねって言われたら

手をふられたら

終わり


暗黙の了解



知っていたはずなのに君は

「またなーっ」
と、いいながら
元気に手をふった


あぁ、終わったんだな
終わってしまったんだな、と理解する


あんなルール
受け入れなければ良かった