誰かが涙は
次に進むためのものだって

誰かが涙は
全てを流すためのものだって

誰かが涙は
越えられない壁に真っ正面にぶつかったときに流すものだって

誰かが涙は
嬉しくてたまらないときに流すものだって

誰かが涙は
感動して耐えられないときに流すものだって


私は思う

涙なんて軽いもの

人は本当に悲しいとき
涙がでないことだってある

私は何度か言われたことがある
「お父さんがいなくなったのに悲しくないの?」

そんなの決まってる
悲しかったに決まってる

母と父が離婚したのはもうずっと前
小学校に入る前にはもういなくて
それが当たり前だと思ってた

幼稚園のころ
確かにいた父が小学校の時にはもう私の前には存在してなくて

兄が父がわりだった

「会いたい」なんて
言えたならどんなに楽になれただろう


私がお父さんに
憧れたのはいつだろう
いつの間にか父という存在に憧れた私


理想とはかけ離れている父だとしても
もう一度誰かを
「お父さん」と呼びたい


そんな 叶わない願い事