「疲れたよー!紫乃ぉぉぉぉ…」

私は、最後の三コマ目の国語の授業が終わると同時に紫乃のところにいった。

「お疲れー、美織。初めての塾の授業はどうだった?」

同じ授業を受けているにもかかわらず、紫乃は爽やかな笑顔を浮かべてくる。

「とにかく、疲れたっ!学校の授業と全然違うじゃん…なんでこんなに進みが速いの…」

少し自慢になっちゃうけど、私は学校では頭がいい方だ。
だから、塾なんて少し慣れれば楽勝、だと思ってたんだけど…
学校の授業とは全然違う、圧倒的なスピード。問題のレベルの高さ。
私は、すでにくじけそうだった。

「どうしよう、紫乃…私、この塾平気かな…?」

私は、不安げな声で紫乃の答えを待った。

すると、紫乃は

「大丈夫だって!美織は頭いいんだし、すぐ慣れるよー。
私も、最初は緊張したし、ついていけなかったよ。
だから、絶対大丈夫!美織ならすぐに私の成績を追い越しちゃうって!ね!」

「紫乃ったら…言い過ぎだって…」

紫乃の言葉に元気づけられた私は、それからあっという間に塾に慣れたのだった……