しばしの沈黙が流れた後、圭先生は無言で塾を出て行った。


私と、荒井先生だけが取り残される。


「本当に謝らないのか……はぁ。


美織さん、怪我は無い?

今は何も思い出さなくていいし、喋らなくていいから……

ごめんな、もっと俺が早く来ていれば、こんな事には………」

私は、さっきとは全く違う先生の優しい声のトーンにほっとした。

そんな、謝らなくていいのに。先生は、何も悪くないのに。

私は…言葉が上手くまとまらないながらも、少しずつ話した。