圭先生がそう言った時、荒井先生は圭先生を殴っていた。


バキッ、という痛々しい音が静かな教室に響き渡る。



「ってぇ…………」


圭先生は、床にドスン、と尻餅をついた。


「何すんだよ‼︎俺の邪魔ばっかしやがって‼︎お前のせいで、俺は…」

「黙って聞いていれば、反省の言葉はゼロか。

お前にとっては仮初めの優しさだったとしても、美織さんにとっては本当に嬉しいことだったんだよ。
美織さんは、お前を信頼していたんだ。


それが、まだわかんねぇのか。


お前が生徒に手を出したことは問題だが、それよりも美織さんの想いを踏みにじったことの方が大きな問題だ。


俺から上には報告する。

とりあえず、お前を美織さんに謝れ。

…と言っても、その様子じゃ謝る気は無さそうだな。」