そんな…!

せっかく、助かると思ったのに……

再び立とうと試みるけど、やっぱり無理だ。

それに、手が使えないこの状態じゃ…

なにか、この部屋に使えるものはないかと周りを見回す。


使っていない部屋なので、プリント類や段ボールが積み上げられているだけだ。


…待てよ。
これ、頑張って足で倒したら音で気付くんじゃ…!


そうと決まれば実践だ。
早くしないと、荒井先生が帰ってしまう。

なんとか、地面を這って足が届きそうなところまでついた。


よし。せーのっ…!


トンッ。


ダメだ。寝転がったままふらつく状態で蹴飛ばすのは、なかなか難しい。


諦めずに、もう一回。


せーのっ!


さっきよりも、力を込めて蹴飛ばす。