ある時、圭先生の周りを女子がキャーキャー言って囲んでいた。

もうこの光景は、割と日常茶飯事だったりする。

そして、紫乃もそのうちの一人だ。


しかし、私はそちらには行かず、荒井先生のところに行く。

「あーらいせんせ♪」

「ん?どーしたー?」

「特に、勉強の質問とかじゃないんだけど……圭先生が来てから、女子とられて寂しい?笑」

「俺がそんなことで寂しがるわけないだろ………。


それに、俺は…美織があそこに加わって無ければ、それで良い。」

え?
私は、先生の言ったことの意味が分からなくて、一瞬思考回路がショートした。」

「あの、それってどういう……」

意味ですか、と言おうとした言葉は、先生によって遮られてしまった。

「ほら、俺構ってないで早く教室戻って。
今日、小テストあるでしょ?」

その言葉に、私は頭を慌てて勉強モードに切り替える。

「あっ……完全に忘れてた。
じゃあ、また‼︎」

「おー。」

先生の言った言葉の意味は、結局はぐらかされてしまったけど。
私のテンションは、MAXだった…♪





でも、そんな私の背中をじとっと睨んでいる圭先生の姿なんて、私には見えていなかったんだ。