その先生は、割と近くに居た。

先生達が仕事をする、事務机で、真剣にPCと向かい合っている。

「あっ‼︎ほら、あの人！
小倉せんせー！」

小倉、と呼ばれたその人は、ゆっくりとPCから目を離してこちらを向く。


「何か用かな？えっと…紫乃さん、だったよね？」

「えっもう名前覚えててくれたんですか///
勉強の質問じゃないんですけど、私の親友を紹介したくて♪」

…ありゃー、紫乃完全にこの人に惚れてるな。顔、真っ赤だし。
しかも、なんか私紹介されることになってる…。

「加藤美織です。授業は受け持ってもらっていませんが、紫乃共々よろしくお願いします。」

「美織さんか。うん、こちらこそよろしくね。(にこっ
あ、俺は小倉圭(こくら けい)。
気軽に圭せんせーって呼んじゃっていいから笑」

…なるほど、これは紫乃が惚れる訳だ。

くりっとした目。
軽く遊ばせた毛先は、ワックスで整えられている。
歯並びも綺麗で、笑う度に白い歯が見える。
スタイルもよく、まるでモデルのよう。