私は、ホッと胸を撫で下ろす。


良かった、良かった…。



荒井先生、だ………。


その瞬間、パチっと目が合う。

ニコッと微笑んでくれた。

頬が熱くなったのが、自分でもわかった。


良かった。夏期講習の間、ずっと荒井先生の授業を受けられる………。


そんな私には、隣の教室で起こっていたことなど知る由もなかった。