あ…新しい先生だ…。
私が気づいた時、向こうも私に気づいたらしい。
イケメンでもないし、背も低い。

「これはハズレだね…。」

紫乃が、私にボソッと耳打ちする。

「うん…。」

教えるのがうまければいいとは言ったが、やはり顔も大事か…?
私と紫乃は、明らかにテンションがダウンしていた…。

ふっと教室の奥の方をみると、また見慣れない顔の先生。
しかも、めっちゃ美人で華奢!

紫乃が、恐る恐るその先生に話しかけた。

「あの…新しい先生ですよね?私達、今日から新中1なんです…。」

紫乃の質問は、明らかにおかしかった…けど、その先生は優しい、しかし元気な声で

「そう!私、今日からここに来た、野上小夜っていうの!よろしくね!
あ、私は、新中1を受け持つの。だから、教えることになるね。
あなたたち、名前は?」

と言った。予想外に元気な先生の質問にどぎまぎしながらも、

「あ…私、加藤美織です…。
こっちは、工藤紫乃。」
「よろしくお願いします」

私達が、軽く挨拶をすると、

「美織に紫乃ね!授業中にビシバシ当てるよっ!」

フレンドリーな態度にホッとしつつも、ビ、ビシバシ?
元気すぎる、この先生は…

そうこうしているうちに、チャイムがなった。

「じゃ、美織に紫乃。またね!」

私達は、軽くお辞儀をすると、すぐに教室に向かった。