「ほら、まひるも!」


そっか、あたしの願いは...



陸人くんを忘れること、かな

ずっと前からの気持ちを断ち切って
今、この幸せを大切にしていきたい


最初は辛いかもしれないけれど
翔琉くんがいれば...



ずっと隣に彼がいれば...



「あれ?」



そっと目を開けると隣に姿はなかった


「翔琉くん?」



「あ、終わった?」

座席の影からひょっこり出てきた姿は
やっぱりどこか安心するものがあって




「うん!ごめんね、遅くなって」


「まひるを待つことくらいなんでもないよ」


「もう!!......何してたの?」



「寝てた...、帰るか!」




いつの日か

この人との幸せを

自然と願える日が来ますように