突然、右腕を誰かにつかまれた。
疲れきっている私に抵抗する気力もなく、つかまれた腕を振り払うことはできなかった。
「離して!!やめて…」
「「落ち着けって!!!!」」
不意に叫ばれた私は我に帰り、顔を上げると、そこには私と同じくらいの身長の小柄な少年いた。
幼いような、でも凛とした顔立ちの少年は、しっかりと私の目をとらえていた。
「大丈夫か?」
優しい眼差しと、握られた右手からは、温かみが伝わってきて、心は落ち着いていった。
そしてまた、溢れ出る涙。
「あっ…ヒクッ…あの…っ…」
「いいよ、話さなくて。つらいときは………いっぱい泣きな。」
微笑みながら言われたその言葉が、一気に心を軽くし、涙は止まらなくなった私は声をあげて泣いた。
周りも気にせず泣く私を、その少年は決して見捨てず、ずっと私の背中をさすってくれた。
