スタッスタッスタッ//
廊下から徐々にこちらへ近づいて来る足音がした。
どうしよう………
早く出ないと……
急いでカバンを手に取り、歩いてくる足音と逆方向のドアから教室を出た。
「ちょっと待って!!」
ビクッ!!
「へ………!?」
私に言ってるのかな……。
振り向かなくても大丈夫だよね…?
私は足を止めることなくそのまま歩き続けた。
「ちょい!!」
「わぁっ!!!!」
突然肩を掴まれた私は思わず悲鳴にも近い大声を上げてしまう。
やっぱりさっきの人だ…。
怒られるのかな…
「さっき職員室に来てたよね、山田さん。」
えっ…………!!!!!!
何でこの人私の名前覚えてるの………?
キモチ悪い……
「は、はい。」
「話の内容とか聞こえた?」
あなたの話の内容聞くわけないじゃん…。
私は強く首を横に振った。
「っ!!はぁ〜マジか、良かった……ごめん今の忘れて(笑)じゃね!!」
「はぁ……」
何か変だな、あの人。
典型的な苦手なタイプかもしれない…。
―――あの人もきっと、
クラスのお調子者で、
ストレスなんて何ひとつなくて、
他人をバカにして生きてきたんだろうな。
