日直の仕事がある私は、学級日誌を職員室へ届けに行かなければならなかった。





//ガラガラ//

「失礼しま………」





目線の先で、担任の先生が男子生徒と向かい合って話していた。



生徒の方は背中しか見えず、誰だかわからない。


何か先生の表情怖いし、後で持ってく方が良いのかな……。


一旦外に出ようとしたその時、先生と目が合う。




「お!!山田!日誌貰うぞ。」


わっ…気づかれちゃった…。



その時背中を向けて座っていた男子生徒が先生の声に反応し、こちらに顔を向けた。





その人と思わず視線がぶつかり、私は思い出した。





その人は多分、今日遅刻してきた中村という人だ。


顔をしっかり覚えていないから、確定は出来ないけど、きっとそうだろう。





急いで視線を逸らし、小走りで先生に日誌を手渡す。




//ガラガラ//

「失礼しました。」