息を切らしついた先は教室。掃除中の千笑が驚いた顔で私を見る。
「愛子ちゃんどうしたの!?」
「ハァ……ハァ…っと…、」
なんて誤魔化せばいいんだろ。
こういうときに限っていい嘘が…
「き!緊急集会があるって………」
「そうなの!?教室で先生そんなこと言ってなか」
「っ!!ん、まぁじゃあ間違いかもね、ははは(笑)」
「う、うん…でも愛子ちゃん息切れるほど走らなくても…
なんか逃走してるみたいだったよ(笑)」
ドキッ///
「ははは(笑)」
その表現はあながち間違ってはいなかった。
確かに私は佐野から逃げるようにして教室まで走ってきた。
千笑はやっぱり少し勘が良いところがある。
そのうち全てを見透かされそうで怖かった。
