教室に戻り、席につくと先生が入ってきた。
と同時に、後ろのドアが荒々しく開いた。
//ガラガラガラ//
「ハァ……ハァ……ハァ……
遅れてすいませんした!!!!」
後ろを向くと、そこには昨日佐野に『龍』と呼ばれていた男が立っていた。
そういえばうちのクラスだったな…。
「お前こんな時間まで学校サボって何してたんだ!!」
怒り気味に先生が言うと、龍は息苦しそうになりながらも、笑いながら答えた。
「いや…ハァ……あの……ッゲホッゲホッ………
えっと……。」
「ただのサボりだろ?(笑)」
突然代弁するかのように佐野が言う。
「そうなのか!中村。」
あ!!
空席だったあの中村って人、あの人だったんだ!!
でも、佐野は担任に『中村はどうした』って聞かれたとき、『知らない』って答えてなかったっけ…。
「………はい。
…そうっす!!(笑)」
「「「「ハハハハハハ」」」」
教室中の生徒たちが龍の拍子抜けするような返答に爆笑する中、当の龍は笑いながらも、少し浮かないような顔に見えた。
「中村、後で職員室に来なさい。」
「「「クスクスクス」」」
その言葉で待ってましたとばかりに、生徒たちは笑いを必死にこらえる。
あの子学校サボるような人だったんだ。
佐野の友達ではあるが、助けを呼んできてくれたから、きっといい人なのかなと思ってた私は、少しがっかりした。
「さ、じゃあ授業始めるぞ〜。」
そして授業が始まる。
