「……う〜んどこがいいかな〜……」



歩きながらそんなことを口にしている千笑に驚く。



てっきりどこか行きたい場所でもあるのかと思った。



なんかわからないけど、校舎内を歩き回る千笑を見ていると、可愛くてニコニコしてしまった。





「なんで笑ってるの?(笑)愛子ちゃん怖いよ(笑)」



「ううん。気にしないで(笑)あと、愛子ちゃんじゃなくて『愛子』って呼ぶんでしょ?」



「まだちょっと慣れなくて…。」



「私は千笑って呼べるようになったのに?」



「う〜ん…(笑)

あ!!あの教室空いてそうじゃない?人気全くないし!!」



千笑が指差しながら歩いていくその先には、あの特別教室があった。


私の大嫌いな…あの………





「ダメ!!!!!!!!」





思った以上の声が出て、千笑も行く足を止め、ビックリして振り向く。



「ご、ごめんっっ!!
そんなに嫌??この教シ…」


「うん。………やめよ?なんか雰囲気悪くない?」



「そうだね(笑)じゃあ……」



「屋上は??!!」



「あれ??うちの学校屋上あったっけ…」



「行こ行こ!!屋上!!」



さっきとは立場が逆転し、今度は私が先陣を切って歩き出す。