「…………だ。じゃあ終わります。」



「きりーつ。」



あっ…
私、完全に聞いてなかった…。



「れい。」
「「「………」」」





何の感情もない起立・礼を終わらせ、周りは騒ぎだす。





私や千笑のような女子は、そそくさと次の授業の準備を始める。





そうだ。
珍しく予習しよう。

そうでもしてないと、私は恐怖でこの場から消えたい気持ちで一杯になってしまうから。





教科書とノートを開き、黙々と手を動かす。





油断すると、すぐに昨日の佐野の声、顔、触れられた感触さえも脳裏に浮かぶ。





ゾクッ





集中しよう。
集中、集中…………





//ガラガラ//



「はい始めまーす。」



先生が来て、授業は始まる。