チャイムが鳴り終わり、先生は出席をとり始める。
「あれ??誰か中村どこ行ったか知らないか?」
突然の生徒行方不明に教室はざわつき始める。
中村という人の座席を見ると、鞄はあるのに空席で、欠席にしては不自然だった。
「誰も知らないのか……
佐野!お前よくつるんでるだろ、知らないか。」
「いや、わかんないっす。」
―――ドクッ/////
心臓が跳ねる。
聞こえてきた声は、私に昨日の全てを思い出させた。
身体は硬直し、寒気すら覚えた。
アイツはこのクラスにいる。
何で忘れかけてたんだろう…私。
「お前も知らないのか。
もういい。じゃあ朝のHRを始めます。……………」
そこから先の先生の話は、私の耳に入ってこなかった。
