先生とのやり取りを終えた龍は、教室の中に入ってきて、私の目の前に立った。
「すいませんでしたっ!!!!」
龍は私に土下座していた。
「ぇ?………あの……」
「わかってたんす。佐野がヤバイことしてるな…って…。
だって佐野のセフレって言う割に日向さんの怯え方尋常じゃなかったし。
でも、俺チキンだから『やめた方がいい』とか言い出せなくて…。
そしたら怖くなって逃げ出してた。
けどやっぱ逃げるだけじゃクズだと思ったから、とりあえず誰か助け呼ぼうって校内走り周ってたら、
教室にコイツがいて……。」
「だからって…何でお前何もしないんだよ!」
彼が初めて口を開いた。
「マジごめん!!!!」
龍は彼にも土下座をした。
「別に…ゲホッ…いいけどさ…。」
彼は龍に優しく笑いかけた。
「そしてごめん!!どうしても外せない用事があるから、俺帰ります!!」
「ハッ?」
「ェッ?」
「お前らにはまた今度なんかおごるから〜!!!!」
そう言って龍は走りながら帰って行った。
