そう強く思った次の瞬間、私は佐野を押し退け走り出していた。
目の前には出口。
「おい逃げんな!!」
ここさえ開ければ…。
「タクミ!!龍!!」
//ガラガラ//
戸を開けると目の前には……
ガタイのいいタクミと呼ばれた男が私を捕まえた。
失敗した…………。
「どうすればいい?」
タクミは佐野に聞く。
「久々だから手加減してあげようと思ったけど〜、
逃げ出そうとしたから………
荒めのコースで!」
「お前、鬼畜だな(笑)」
イヤだ……
ヤメテ…………
抵抗も虚しく、私はタクミに背中の後ろで腕を掴まれる。
「イヤ、お願い。
お願いします!!」
私は泣きながらすがった。
みじめだとか考えてる場合じゃない。
「な?」
突然佐野が話し出す。
「おう。」
何が何なのかサッパリわからない。
「このすがってくる感じが、やばいよな。」
「おう…。俺、ヤベーかも。」
「タクミにも貸してやんよ。」
そして容赦なく胸を揉まれる。
「いやぁ!!!!」
//バン!!//
頭に重たく響く音。
私は佐野に叩かれていた。
「黙ってないとあんた死ぬよ?」
怖くてたまらなくて涙が出る。
「ほら…だから好きなんだよ…。」
