手を引かれ着いたのは……
いつもの場所、
私の大嫌いな場所だ。
佐野は躊躇なく特別教室のドアを開け、中に入っていく。
「うぇ〜い!!」
「「うーっす!!」」
いつものように佐野の仲間がたまっていた。
「あ!日向愛子!」
その声の先には私とクラスが初めて同じになって、佐野に吹聴されていた男子が、私に気づいて驚いていた。
「佐野の言ってたセフレって……………」
「「人殺し!!!???」」
「でかい声だすなよバカ!!」
佐野にはたかれたその男子はまだ私を見ている。
「でもお前さ、あんな美人な彼女がいるのになんで…」
「あ〜彩乃?
アイツはキープだよキープ。あんな人気者振るのはもったいないだろ?」
「さすが佐野……」
周りの男子たちは佐野をまるで英雄でも見るような目で見ている。
こんな狂った場所から早く出たい…。
でも願うだけ無駄。
怖いのはこれからだ。
