着いたのは体育館倉庫。
私の嫌な予感は的中している気がした。
ロングヘアの女の子だけが倉庫の中に入り、もう一人は外に出た状態で扉は閉められた。
「日向さん、佐野海斗って知ってる?」
ドキッ…
突然あげられたその名前に驚いた表情をした私に、彼女はさらに顔を濁らせ、強く睨み付ける。
「佐野さぁ……
私の彼氏なんだけど。」
「ぇッ…………」
知らなかった。
アイツに彼女がいたなんて。
彼女はアイツのどこを好きなんだろうと不思議に思いながら、また、なんで彼女は私にそんなことを言うのかも分からなかった。
「そうなんだ………」
「…そうなんだ??
お前知らない訳ないだろ!!佐野が言ってたの!!日向に告白されたって!
それで『俺、付き合ってる人がいる』って言ったら、『それでもいいから』ってあんたが言ったんでしょ!!」
突然押さえてたものが破裂したかのように怒鳴り出す彼女に私は混乱し、そして言ってることが理解できなかった。
また出てきた、
私の知らない私の出来事。
頭が真っ白になり、何も言えないでいると、
彼女はスマホをいじりだした。
「これ見てもまだそんなとぼけた顔出来る?」
怒りと悲しみで涙ぐんだ彼女が、私にスマホの画面を見せてきた。
「いやっ!!…………」
その画面を見た私は、反射的に彼女のスマホを奪った。
そこには佐野が私に覆い被さり、キスをしている写真があった。
「これは…………」
//パシン//
私は彼女に平手打ちされていた。
「なにその顔。…………
佐野を寝とって気持ちよくなってんじゃねぇよ!!!!」
///パシン///
また平手打ち。
「違うの!!!!」
「何が?何が違うの?
うちは毎回見てんのよ!!お前が佐野と特別教室入ってくところ。あんた何も拒まずに佐野に着いてくでしょ!!!!」
「違うの!!それは…………」
それは、拒まむといじめがエスカレートするのが分かるから。それが怖くて何も言えないだけなのに……。
でもここでそう説明しても無駄。
この子は佐野が大好きなんだから、いくら説明しても信用するのはアイツの言うこと。
そのあとも、涙を流す彼女は、黙ったままの私に何度も平手打ちした。
私はそれすらも、拒めなかった。
