Can't to the past

カッと赤いヒールがドアから現れた。スラッとした身体に金髪のショートカット。サングラスをかけていてよく顔が見えなかった…。

次に現れたのは小太りだが大柄な男性…。目は笑っているが怖そうな人。


「遅れてすみません。会議が長引きまして。」
サングラスの女性の赤い唇からりんとした声が響いた。
ざわざわとしていたのが一気に静まりかえった。

ま…さか…。


「わざわざ息子の葬式に足を運んでいただき…心遣いに感謝いたします。」
と、偉そうに小太りの男性が言った。
その瞬間、静まった式場に緊張感が張りつめた。

そう、この人たちこそが。 



………宏樹の…両親…。